食事制限だけのダイエットでやせないわけ。 |
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ダイエットに関心のあるみなさんなら、食事制限だけの減量を無理に行なうと、リバウンドをした結果、以前よりもいっそうやせにくい体になってしまうことはご存知でしょう。そう、運動せずに、食事量を減らすだけのダイエットを行なうと、脂肪とともに筋肉も減っていってしまいます。最初は順調に体重が減っていったとしても、筋肉が減ると基礎代謝も落ちるため、だんだん体重計の目盛が動かなくなってくる・・・壁にぶち当たってストレスがたまり、ついつい食べてしまって結局リバウンド・・・体型はすっかり元通りとなり、体の中身は脂肪だけがどっと増えて、筋肉は減ったままという状態に・・・それで、筋肉が落ちて基礎代謝が下がった分、ダイエットを始める前よりもいっそうやせにくい体になってしまうわけです。 え?そんなこと、いまさら説明されなくてもわかっていますか? たしかに女性誌のダイエット特集などでよく目にする情報ではありますね。でも、みなさんはこうした無謀なダイエットがどんなに自殺行為であるか、これによって健康や美容の輝きがどんなに失われてしまうか、その「コトの重大性」が十分にわかっていらっしゃるでしょうか。 たとえば、みなさん、食事制限だけのダイエットを3ヶ月間続けると、通常の人に比べてどれくらい筋肉が落ちるのかをご存知ですか? 私たちの研究では、「わずか3ヶ月間で5%の筋肉量が落ちてしまう」という結果が出ています。20代以降、筋肉は1年に1%ずつ減っているので、これは3ヶ月で5年分の筋肉を減らしてしまったということ。通常なら5年かかって落ちるべき筋肉量を、たった3ヶ月でごっそり減らしてしまったわけです。これはかなり危険なレベルであり、サルコペニアが進んだお年寄りでもこんなに一気に筋量低下が進むことはそうそうありません。 まあ、筋肉量の面で言えば、5年早く歳をとったようなもの。でも、もし同様のダイエットを過去に何度も繰り返していたとしたらどうなるでしょう。3ヶ月の食事制限ダイエットを過去に4回やった経験があるとしたら、5年×4回で20年分の筋肉量となり、20年早く歳をとってしまったようなものと考えていいでしょう。20代で4回のダイエットをしていたとしたら、20代なのに筋肉量は40代ということになりますし、30代で同じことをすれば、30代なのに筋肉量は50代ということになってしまうわけです。そう考えると、なかには過去のダイエット体験を振り返って空恐ろしくなってくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ではみなさん、無謀なダイエットで筋肉がどんなに落ちてしまうかがわかったところで、先ほどのサルコペニア肥満の話を思い出してみてください。サルコペニア肥満では、ほんの少し太めかなというくらいの体型でも基準に該当してくる方が少なくありません。一見、そんなに太っていないように見えても、じつは体の中身は脂肪ばかりで、筋肉が細ってしまっているわけです。そして、そういう方には、過去に何度も無謀なダイエットを繰り返してきた方が非常に多いのです。要するに、ちょっと太めなのを気にして、食事制限オンリーのダイエットに手を出す→筋肉が落ちて、基礎代謝が低下する→リバウンドして体型が戻り、筋肉は落ちたまま、脂肪が大幅に増えるといったことを繰り返してきたために、体型は以前とそんなに変わらないのにもかかわらず、体の中身のバランスが筋肉が少なくて脂肪が多い状態にすり替わってきてしまったわけです。おそらく、このために何年分何十年分もの筋肉を脂肪に替えてきてしまった人も少なくないのではないでしょうか。 |
2018年3月15日(木) |
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